第三国人と三国人
昨日の日記でオールドタイプって言ったのはもちろん旧来からある企業や
大企業のことじゃなくて、シゲタ君みたいな金の亡者のことだからね。
お間違いなきよう。
三国人ってコトバが露骨な差別用語だったことを知らない人がとっても多い
ので、触れとこうという気になった。「第三国人」とまず言い出したとき
には、おそらくそうではなかったのだろうけれど、それを三国人、とはき
捨てるように言い出してからは完全に差別用語。映画見ようね、たとえば
新東宝の「女王蜂と大学の竜」(1960、石井輝男監督)
三国人というコトバがどんな状況で、どんな表情で、どんな具合に発音
されているか。
で、そのコトバがとくに差別用語だったころには、日本は敗戦国だったから
このコトバにはかなり複雑な意識がこめられてたってことも、重要。第三
国人は、勝ち組だったのだ、その意味でだけ。もちろん、差別によって、彼
らは日本での生き方の幅をかなり強烈に制限されていたし、勝ち組だから
って幸福だったわけじゃない。
関東大震災のころには存在しないコトバが、存在しなかったタイプの感情を
もこめられて差別的に使われていた。三国人ってのは、そういうコトバ
だった。つまり中国人や韓国人の人々を、それまでのようなコトバでは差別
しにくい状況で、あらためて差別するためのコトバとして採用されたものだ。
一般的に存在したコトバじゃないのだ。そして、現今のような状況で不法に
滞在する外国人に対して使うようなコトバとしては、ぜんぜん適当じゃない
っていうか、おかしいのだ、そこでそのコトバを持ち出すこと自体が。
そのコトバを、いまあらためて、関東大震災のころにあった事実とデマと、
昨今ある事実とデマとが綯い交ぜになるような形で、ワザと使われたのが、
今回の石原氏の発言なんだと思う。つまり物凄く戦略的な発言なのだ。
三国人なる言葉を知らない人々に、現今の不法滞在外国人の犯罪(それは
たとえば何だ?麻薬を売ることか?じゃあ買ってるのは主に何人だ?
もうけているのは?そして社会システムとして麻薬がどう使われている?
その国は日本じゃないのか?)というネタを餌にして、外国人差別を浸透
せしめる?最低じゃないの、そんなやり方。日本人として、恥ずかしいなあ。
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