野口健の冒険心と実行力こそ外務省に必要
今年もエベレストのゴミを1.5トン集めてきた行動と理念の人
(だけど声のトーンは甲高い)野口健氏。彼は外交官の息子な
のだが、一志治夫著「僕の名前は。アルピニスト野口健の青春」
によればいわゆる外務官僚とはかけ離れた情熱と実行の人であっ
たらしい。野口健氏も、燃えるような情熱と理想の青年であり
そしてやたらと明るい。
彼が清掃登山をうたい、今年は国際隊を組織して、大々的にエ
ベレストのゴミ問題を語ることに、日本の既存の登山関係者は
苦々しい思いを感じているようだ。昨年も行ったこの活動の時、
彼は日本から来ていた登山隊に挨拶をした。今年また清掃にの
ぼると、その隊の連中が捨てていったゴミがあった。確信犯で
ある。自分ばかりいい格好をして、人のやることを世界の恥の
ように触れ回って。そんなヤッカミもありそうだ。野口氏は、業
界の「暗黙の了解」の世界とは無縁な人間であり、年功序列的
なものを無視して最年少七大陸最高峰登頂を記録した人間だか
ら、余計によそ者扱いされるのだろう。
一体に日本の登山隊は閉鎖的で、国際交流が苦手だという。
何を考えてるんだあいつら、と思われがちになる。世界の現状
にはうとくなる。常識がなくなる。たとえばゴミだ。西欧の隊は
ゴミを出さない、出してもちゃんと持ち帰る。現実にそれが
きちんとできない日本隊は、残念ながらまだ多いという。
日本の登山隊はゴミを捨てる、日本のゴミが多い、と指摘され
悔しかったという野口氏、そして彼はそれを自分の手で拾うこ
環境問題、日本人の問題など数多くのことを世に広めようとした。
情報をオープンにすること。そして、そこから解決方法を見つけ
出すこと。見つけだしたら実行すること。
自分の意見はちゃんと、しっかりと言うこと。そして、言ったことには
責任を持つこと。
あまりにちゃんとした人なので、外務省では主要ポストにつけなかった
という野口氏の父上。なるほどね。人材はきっと居るのだ、でも組織が
その存在を無にしてしまうのである。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント