国は健康であるべきそして健康とはイヤなこと
教科書など須らく偏向したものである。
そうでなくては国の教育など成り立たない。
客観中立公正教科書なんてものは歴史のはじめからないし今後も無い。当たり前。
ただしいい加減そうな俺でもしょうもない裏切りなんかは嫌いねん(^^;)。
ということで教科書問題についての必読文章を引用。山本夏彦氏。
文春文庫に入っている「私の岩波物語」の105ページからここでは引用するが、他の文章でも
この話題に山本氏は触れておられる。何度も言うが橋本治と山本夏彦の文章はできる限り
全部読むべきだ。
「私はしばしば人を当人と他人に分ける。そしてこの世はその当人にみちみちたところだと
見わたす。イギリス人は自分の国の小学生に、わがイギリスが世界中に植民地を持ったのは
南アフリカでは首長に懇願されたからであり、エジプトでは王の苦しい財政を助けるためで
あり、インドではインド人の幸福を願ったためであると教えているという。
あまりのことに中国人も日本人も笑うが、その中国人は尖閣列島から石油が出ると聞くと
すぐにこの島々は中国領だと言いだす。わが外務官僚はこのとき直ちに駁して尖閣列島は沖縄
に属し沖縄はわが国に属すと言った。日本の利益を代表する弁論である。
ところがわが国の大新聞は中国に遠慮して、その日もあくる日も沈黙して、十何日か何十日
かたってから、ようやくわが国の領土だと社説で駁した。
日支事変はもとより日清日露の戦役まで侵略戦争だと中国人が言うのは勝手だが、日本人が
言うのは勝手でない。それなら当人でない、他人である。当人というものは自分の利益とみれ
ば、他人の島までも自分のだといいはるものである。それが健康な個人であり国家である。故
に健康というものはイヤなものである。けれども、おお個人も法人も国家も、健康でなければ
ならないのである。
わが国の当人ぶりは他国の当人ぶりにくらべると著しい遜色がある。自分が言いはること少
なく、他人の言いはることに迎合する国は、怪しいかな他国にあなどられる。」
それが確かにリアルなのである。確認せよ。
そして、ここから自分の頭で考え始める、のが「裏切らない」ということだ。
盲信・判断放棄こそがぼくたちの敵である。
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