自分の頭で考えられないっていうのは実は
たとえば人ごみのなかでどう動いたら人に迷惑をかけずにすむか、ということまで含まれていたりする。
大群衆の中にいると、たとえば競馬場の大観衆の中にいると、これが無秩序にむかえばどういうことに
なるのか考えると空恐ろしくなることがある。人それぞれが自分のことしか(それも実に自分の周辺
だけのことしか)考えていない、という状態は実に恐ろしいことだなと考える。
昔電波少年の企画だったかで集まった厨房たちの無秩序ぶりに番組が進行できなくなったことがあった。
下手をしたら現在、日本人は体の動かし方だってわかっていないのかもしれない。
人間は徹頭徹尾自然を失った動物だ。習わないことはできないのである。
そして習わないとできないことの中にはたとえば他人を思いやるとか、親を大事にするとか、子どもを
守る、とかいったようなことも含まれている。
一人一人は自分で動けない。考えつかない。
号令をかけると動く。
号令をかける側が頭を働かせるのがヘタで機能しない。
間違った号令にしたがって動く人と、号令を無視して、かといってよく考えもせずに自分の目の前の欲望
にしたがって動く人と、だけになる。
どこでどんなシチュエーションで事故が起きてもおかしくない。
たとえば自衛隊の中でとか、大学の中でとか、会社の中でとか。
高度成長とバブルと不況。それとこの日本人の壊れ方との間には当然深いつながりがある。
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