« 官邸はどこに行こうとしているのか? | トップページ | 田中真紀子外相は負けてしまったのだから »

2001年8月 5日 (日)

あの戦争も大震災も明治維新もすべては夢幻?


イスラエルの方が広島の被爆者を取材したドキュメンタリーが、イスラエルで放送されるのだそうだ。毎日新聞の
ウェブサイトをご参照。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20010805k0000m030048000c.html
この方は非常に正直なことは記事の以下の文章からよくわかる。
>子どものころ、学校で習ったキノコ雲の写真が現実に起きたこととはヘレルさんには思
>えなかったという。「イスラエル人にとってヒロシマは実在しないに等しい抽象概念のようなも
>の。被爆者の苦しみと、今の広島の美しい街の映像を通して、平和の大切さが同胞に伝わ
>れば」とヘレルさんは願っている。

何を言ってやがる、と日本人なら思うだろう。何が抽象概念か。しかし、それが常識である世界の方が、実は
広いのだ。日本人がどう叫ぼうと喚こうと、原爆の残酷さをたとえば南京大虐殺とかパールハーバーの卑怯な
奇襲、とかのほうがよりポピュラーに宣伝されている。そうした世界で生き、金を儲けている、そういう
プレーヤーなのだ。ルールは守れ、と言われてむくれていてもはじまらない。

それにしても。
33歳のベルギー生まれのこのイスラエルの方にとって抽象概念であるのと同じくらい、我々にとって様々な
問題はゆめまぼろしのごときもの、となっているのかもしれない。靖国、とたとえば口に出したとき、靖国
神社というガチンコな現実をどれだけの日本人がどれだけの具体性を持ってイメージできるのだろうか?
その具体性と(伝統などない新興の)宗教性は、やはり戦前のある時期までで失われてしまったのだろう、だから残念
ながらいま残っているイメージは極めて政治的なそれでしかない。

靖国に参拝することの意味を根源的に答えてほしいものだ、反対する勢力の言っていることはよくわかった、何度も
いろいろなところで聞かされている議論で、ことをわけて靖国についてはこうこうである、という意見ではない。
なら参拝積極論者にそのあたりを語ってほしいものだ。わかるように、3分ほどで読み終わるあるいは聞き終わる
分量で。

|

« 官邸はどこに行こうとしているのか? | トップページ | 田中真紀子外相は負けてしまったのだから »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: あの戦争も大震災も明治維新もすべては夢幻?:

« 官邸はどこに行こうとしているのか? | トップページ | 田中真紀子外相は負けてしまったのだから »