田中真紀子外相は負けてしまったのだから
今更、なのであるけれど、やはり今回の官邸の人事の手法は完全に守旧派のそれであり、田中真紀子のゴネぶりには
ちゃんと根拠がある、とぼくは思う。それにしても駐米大使が外務事務次官の天下りポストになっているのはおかしな
話だ。小泉氏は首相公選制などを主張するのなら、スタッフに対してもアメリカ式のポリティカル・アポインティ
でいく、という気概を見せてもらいたい。ポリティカル・アポインティは政治的に任命された官僚、というような意味
で政治主導で人事をやっていく、ということである。合衆国の大使は外交官の上がりのポストではない。駐英大使に
先日財界人でありサラブレッド生産の世界でも大物であるファーリッシュ氏が就任したが、彼とブッシュ氏との個人的
な関係の深さは知られているところである。まあ、そういうのも困ったものだ、とも言えるが。
ポリティカルアポインティについて以下参照。
http://www.lec-jp.com/h-bunka/v4/topinterview/01c.html
確かはやい時期には田中外相、小泉首相ともに民間人大使を考えている、という報道があったと思うのだが、少なくとも
首相筋に関してはその線はなくなってしまったのだろうか。まあ擬せられていたソニーの出井氏などにけんもほろろに
言われてしまったからなのかもしれないが。
加藤氏と野上氏の人間関係や資質の違いについてはぼくは知識がないので詳らかにはできない。野上氏は、中東和平の
問題に深く関わったことがあり、去年の沖縄サミットの際には首相のシェルパを務めている。93年、中近東アフリカ局
審議官だったころ、読売新聞に反ユダヤの書籍がブームになりつつあることに警鐘を鳴らす内容の文章を発表した。
加藤氏は非常に米共和党に近い人物のようだ。今回の大使就任で次官の目がなくなったのかどうかは、まだ定かではない
のだろうな。
歳川隆雄氏によればどうもこの人事の絵図を描いたのは川島裕事務次官のようである。院政の道を探っているわけだろう。
http://www.insideline.co.jp/column/column.html
みにくい話である。
実際次なる注目は四人の次官経験者のこの後である。現職の首を切られても、彼らには生き残れる道は多々残されている。
しっかりその行方を見極めなくてはならない。
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