カブールを知る人の言葉は重い
村上龍さんのジャパン・メール・メディアで、国連難民高等弁務官カブール事務所所長の山本芳幸さんとの対談が載っている。まだアメリカのアフガニスタン攻撃以前の対談になるが、非常に多くの貴重な情報や示唆に富んでいて必読である。
http://jmm.cogen.co.jp/index.shtml
バックナンバーの、村上龍、経済の専門家に聞く 座談会編にあるのでどうか。
以下引用
村上 援助して、昔の元首を担ぎ出して政権を作ってしまうというのはあまり好きではありません。
山本 それが典型的なアメリカなんですね。そういうことをするから嫌われるんです。
アメリカの友達と話をしていても、どうして自分達がそんなに嫌われているのか分からないんです。
中略
山本 こんなにお金をあげているのにどうしてなんだ、と言うんですが、その発想がもうだめなんですよね。日本もそれに近づいています。確かにアフガンに対する援助金はアメリカが一番大きい。大体どこでも、アメリカか日本が一番大きいんですが。そのことは時間をかけてもなかなかアメリカ人には理解できないと思います。
村上 ただもちろんその姿勢にはポジティブな側面も多いわけです。戦後の日本も救われました。だから判断が難しいんですよね。常に両義性があります。
山本 アメリカには偉いなと思う面が常にあります。同じことが日本で起こると、今の日本のメディアの対応を見ているかぎり、完全に戦前のような状態に戻ってしまうのではないかと思います。もう既にそうかもしれませんが、なんでするか分からないような戦争に突入してしまうのではないかと。
アメリカは直接攻撃されて、大統領も興奮していますが、メディアはものすごく冷静です。きちんと調べています。ウェブを見てみましたが、日本のメディアと情報量がまったく違う。ものすごい情報が揃っていて、どこを見ても勉強できる。日本の新聞は自衛隊を派遣するかどうかそんな話ばかり。イスラムの歴史や、アメリカとの関係を見据えて何が起こったかということを考えない。
引用終わり。
テレビで、岡崎久彦氏が、パキスタンで反米デモ、なんて報道は日本ぐらいだそうですよ、などと言っていた。戦争が起きると、嘘吐きが現れる。しかも「そうですよ」と責任を逃れられる伝聞の形にして。元外務省のお偉いさんが、外国の報道は又聞きかい。
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