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2001年11月20日 (火)

柳田大元氏こそ日本人の顔である。


柳田大元氏が帰ってきた。
無事に帰ってきたら書こうと思っていたので、思うところを。

アフガニスタンにはジャーナリストがたくさん入っている。この間までの緊張状態よりタリバンが敗走してからの方がなんか人が死んでいる感じもある。情報合戦命がけの戦い。カンが必要だ、情報ルートが必要だ。そして日本人ジャーナリストで戦時下のタリバンの顔をしっかりと見てきたのは柳田氏だけだ、今のところ。

彼はいわゆる戦場ジャーナリストではない。どちらかといえば放浪系の人物である。今回も放浪の末捕まってしまった感じだ。ターゲットとしてきちんとパキスタンやアフガニスタンの状態を把握して行った、というのとはどうも違う。ふらふらと無責任に国境を越え、無防備のあまり当然のごとく捕まってしまったかたちだ。最初に誤報となったカメラマン飯田氏とボランティア・インターネットジャーナリスト与謝狸氏(宮崎学氏のテカ)のコンビなどとは大違いなのだ。

つまりはただ単に不注意で無定見な奴、である。人が戦争しているときに迷惑な奴だなあ、といってもいい。困ったちゃんである。無事に帰ってきたら、予想通りタリバンにはいい人もいた、日本政府は安易に戦争協力しちゃいけません、というようなことを仰ってデーヴ・スペクターあたりに批判されている。お約束である。

大新聞や大テレビのジャーナリストたちは安全な場所にいてちゃんと取材をしない。フリーのジャーナリストは苦労に苦労を重ねるが金やパワーがどうしても足りない。無定見な放浪家は捕まっていい宣伝の材料にされる。そして自衛隊派遣をめぐって国会では妙な論争を繰り返す。

いやまったく柳田大元氏こそは、まさに21世紀この現代最も典型的な日本人である。無定見な放浪家。曖昧な彼の笑いこそがアメリカの属国日本が作ってきた笑い顔だ。彼は37歳、ぼくとは四歳違い、ほとんど同世代だ。自分も同じ笑い顔をしていることに気付く。そこいら中にその笑顔が満ち溢れていることに気付く。

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