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2001年12月 7日 (金)

鈴木書店、続き。「取次」とは何か。


井狩春男氏のコラムから。
http://homepage2.nifty.com/teiyu/journal/ih_0112.html
「 2001年11月29日は、取次の鈴木書店にとっては大変な日でした。

 1時30分から、取引先のほとんどの出版社に集まっていただき、債権者になっていただけるよう、ご相談とお願いと報告をする会が開かれるからです。いわば、その会の内容によっては、鈴木書店が倒産するか、新会社に移行できるかの瀬戸際。」

取次とは何か、を出版業界以外の人は知らないだろうから、山本夏彦先生の引用で説明させていただく。

「取次店というのは版元が印刷製本した本を小売に卸す会社のことをいうが、それなら問屋かというと問屋ではない。問屋なら自分が買って利ざや(マージン)をとって小売に卸すから、商品の目ききだが、取次は昔それをしたが今はしない。委託販売といって版元は本または雑誌を何千何万とつくると、それを大取次に搬入する。すべて委託販売で雑誌なら三ヶ月、書籍なら六ヶ月の返品期間内に返して、書店は売れたぶんだけ取次に払い、取次はそれを版元に払えばいいのだから、危険負担がない。(中略)
大取次は品物を預かるとその三割前後の金を貸す。まさか三割しか売れないで七割返本とはなるまいから手形で三割貸す。その三割ほしさに苦しい版元は矢継早に新刊を出しては借り、借りては出してついには貸して貰えなくなって倒産する。」
(「私の岩波物語」文藝春秋)

日販東販といった大取次ぎは金融業に似ているわけである。
鈴木書店には井狩氏が仕入れにいた。すなわち目利きがいたのである。目利きが入れるような本は部数がそれほどではなくても日本語の文化にとって大事な財産なのである。そういう取次がつぶれていくとは、どういうことか。
ぜひ出版業界には無関係な方々にもわかっていただきたくて 以上、書いた。

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