911以来、子供を産みたがる人が増えている
という話がある。
ぼくの周囲でも、それまではいらない、といって作らないでいた人たちが、方針を変えたりしている。やはりあの事件の衝撃は、大きいな傷痕をわれわれのからだのなかに残したのだろう。どこかへ帰っていきたい、なにか自然で当たり前なところに帰っていきたい。そう渇望させるスイッチが入れられたのだろう。
しかしながら、そこはすでに自然な場所ではない。不自然に不自然が積み重なっていく。いったん起きた事柄を途中で押し留めることは難しい。いったん壊した環境をもとに戻すのには数倍の時間がかかる。時間をかけても完全に元に戻ることはない。
逆にいえばそうやって時間がすぎていく以上、今やっていることが確実に明日に響いていく。目隠しをされていた状態ではわからなかったことがわかっていく。
どんな明日を次の世代が生きるのか?
それは長野でもパレスティナでもアフガニスタンでも変わらない、ぼくら全体の問題だ。
ともあれ子供たちは生まれてくる。時間は流れつづけるばかりだ。
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