手遅れで無いと信じたい
スロー・フード運動がずいぶんと盛り上がってきた。
首都圏の生産者などが集まったシンポジウム、今までとは熱気が違う。
数年前のITバブルのパーティにも似た熱気。
だがもちろん、これはバブルではない。ITバブルのときに提示されたものは実にお寒い技術ばかりだった。いや、技術としてはある程度確かなものでも、それが彼らが声高に叫ぶほどの価値があるとは到底思えない、そういう手ごたえだった。だが証券会社は踊った。彼らを食い物にして大もうけした。そしてもともとずたずただった経済は、マーケットはご臨終を迎えた。
農家の人たちにこの手のバブルはない。彼らが守り育ててきた農業には数十年の血と汗が染み込んでいる。数百年の智恵が息づいている。人間は資本主義の百数十年で、それまで数千年築き上げてきた文化を台無しにしてしまった。
そのことを総身で感じながら、スロー・フードを思う。
スロー・フード運動はお洒落なトレンドなどではない。アンチグローバリズムであり、資本主義の見直しなのだ。
手遅れではない、この世の中は変わる。まだぼくたちは生き延びられる。
そう信じたい。
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